全15軒のサン・セバスチャンでのバル巡り、初日の感動

2018年12月31日

美食の都と言われるサンセバスチャン。
私たちは合計15軒のバルを4日で巡りました。
さらに、三つ星レストラン、一つ星レストラン、ビルバオ、オンダリビアのバルも訪問しています。

この記事では、サンセバスチャン1日目に巡った4軒のバルを紹介します。

バル巡りをするにあたり事前にどのような日程でどのバルを巡るのかをリストアップしました。
1回の食事で3-4店舗を梯子して、行けなかった店があれば次の日に先送りするという緩やかな運用です。

この記事を見た奥様から、決して緩やかな運用でなく、「1日5店舗を4日で訪問するのがノルマだった」と奥様に指摘されました。

1日目は、月曜日の夜でした。定休日のバルが多く注意を要する日です。

Bergara ベルガラ

一軒目に選んだのはベルガラです。

ピンチョス発祥の店ということで一番目に訪れることにしました。
ビルバオでも同じような発想で伝統的な店を一番初めに訪れました。

ベルガラにはアストリア7からバスで向かいました。ホテルの向こう側に複数の路線のバス停があり便利です。

ピンチョス発祥の店となると、昔ながらというような内装だったり、メニューだったりすると思いますが、この店はそういう感じはなく現代的に攻めていました。


でも、現代的に攻めすぎているのか、感性の違いなのか、わかりませんが、はっきり言うとダサい内装です。さらに、フードコートのような明るい照明がダサさを際立たせています。
雨が多いバスクでは隅々まで照らす明るさこそが皆が求めるものなのかもしれませんが、僕たちにとっては、残念ながら興冷めです。


メニューは写真入り、さらに日本語のメニューもあるので注文はしやすいとは思いますが、ラミネート加工されたメニューは陳腐さを増し、香港の安い料理屋のようです。ファーストフード店のようだとも言えます。

全体的に店の雰囲気として、先進国というよりもアジアの新興国のような感性が漂っています。

カウンターだけでなく、4人掛けのテーブルがいくつかあり、立って食べるのに疲れたときは便利です。
折角だから、白い木の公園のベンチのようなチープなテーブルで座って食べることにしました。

クロケッタという日本のコロッケのようなものを注文。
日本のコロッケの方が数倍は美味しいと思います。
この店のクロケッタが駄目というわけでなく、クロケッタという料理自体が、駄目だと思う。

その他にいろいろと食べましたが、満足するものがありません。
たぶん、メニューのチョイスに失敗したのだと思います。
ビルバオで既にバル体験をしていたので自分の中での基準が上がっていたかも知れないです。

この店は、観光ツアーで団体が連れられて来るような店なのかと思います。
注文のしやすさと座れるということで年配の方にはウケがいいかも知れません。

ということで、早々に店を離れることにしました。

Goiz-Argi ゴイズアルギ

先程の店を後にして、ウルメア川を渡って、旧市街に来ました。

旧市街に着くと、テレビの映像で視たそのままの風景がそこにありました。
格子状の細い路地に3階から4階建ての建物が密集しています。
ここを目指して東京から来たかと思うと感慨深いものがあります。

旧市街の最初に入った店は、ゴイズアルギです。

狭い入り口をくぐると縦長のワンルームみたいなところに湾曲したカウンターが奥まで連なっています。

照明がやけに明るいのが気になります。空港にあるような電子掲示板にメニューが表示されています。

店のインテリア的な雰囲気は褒めるところがまったくないばかりか、料理を台無しにしてしまうかも知れない感じです。

それだけに料理の味だけに意識が向いてしまうのでお店自らハードルを上げている感じがして仕方がありませんでした。

そのような雰囲気にも関わらず、この狭い店、もう店と言うよりも部屋という感じですが、そこに多くの人が詰め寄っています。料理の皿を置く場所がなく、皿を持って食べている人もいるほどです。

カウンターには、いくつもの料理が大皿に載って用意されていて、どれにするか迷うところですが、すでにこの店では何を食うかは決めています。

それは「ガンバ」です。

食べ物の話なので、それが日本の西にある何とも言えない街の蹴球のチーム名ではありません。

「ガンバ」とは、エビのことです。「Brocheta de Gamba」とメニューに表記されていることが多い「エビの串」です。

エビと言っても、いくつもの種類がありますが、この「ガンバ」というのは芝海老を指しています。日本でエビのアヒージョを注文した時に出てくるエビです。

良く目にする不味くもなく美味しくもないエビで冷凍で大量に売っていたりするものをわざわざ外国まで来て食べるのかと、せめて車海老ぐらいから食べないの?と自ら思ったりもしていました。

しかし、口コミに、何度も滞在中に通ったという体験談が多く書かれています。

カウンターにそれらしきものがないので、ガンバと口頭で注文しました。

ガンバという単語は日本を発つ前に頭の中に忘れないように長期記憶領域に記録しておきました。

問題は発音でしたが、少しカウンターから一歩引いたところで、他人がガンバと注文しているところをチェックして発音を確認して注文しました。

これで通じない訳がないと思いながら、反応を待ちました。手の平は汗で滲んできています。

「エビね」

え、今、なんと。

ちきしょう。日本語で返してきやがった。この緊張はなんだったんだ。悔しくもあるがホットしました。

しばらくして渡された皿を受け取り、食べてみると、

このエビにしてこの美味しさ。

ベトナム辺りでどこかの商社が養殖したものとは違うのです。水道の蛇口を回せば水が出てくるごとくの大量生産による低価格でどこの家庭においても食されるようになったエビとは違うのです。しかし、卸元まで確認していないのでもしかしたらその程度のエビかも知れませんが、今、口に入っているエビは、とんでもなく美味しいのでありまする。

ありふれた素材で新しい体験

これがゴイスアルギのガンバです。
日本の飲食店は工夫が足りないぞと言いたくなる味なのです。

もう一つ頼んだのが、カラマールです。


いい歳の人だと、足がカラマールと覚えてしまうことだと思います。イカの事です。

ガーリックとオリーブのイカがこんなにもイカしているとは!と思わず言いたくなる味です。
屋台などで、醤油の香ばしさに惹かれてついつい買ってしまう炭火焼きのイカとはまた違う味ですが、美味いのです。

LaCepa ラセパ

2軒目はラセパです。

どことなく山小屋を思わせる内装で、天井からは脚がぶら下がっています。

もちろんしゃぶりたくなるほどの美脚です。といっても生ハムの原木ですが。


店の奥に進むとテーブル席とカウンターがあリます。
大皿が並べられているカウンターに陣取りました。
カウンター上は、大皿があるためグラス2つ分ぐらいの縦幅しかなく狭いです。

とりあえず赤ワインを頼みました。

この店で食べるものは、既に決まっています。イベリコ豚の生ハムです。

壁にメニューが掲げられています。

スペイン語で書かれたメニューを必死に凝視し、「Jabugo」という文字を探します。
ほとんどの単語がわからないながら「Jamón de Jabugo」という文字を発見しました。

Jamón de Jabugo = ハモン デ ハブーゴ

これは、ハモン地方のハムという意味です。
「ハモン・デ・ベジョータ・イベリコ(Jamón de bellota ibérico)」と呼ばれるイベリコ豚の生ハムの名産地です。

略して、Jamón de Jabugo なのでしょう。
和牛で言うところの松坂牛、神戸牛、米沢牛のようなものなのです。

カウンター向こうにいるお姉さんに「Jamón de Jabugo」と注文をしました。
おっいきなり頼むのかという表情。

ここに来てこれを食べずに帰るわけにはいかない品なので当然です。

食べてみると、凄く甘くジューシなのです。
イベリコとはこの事なのだと思い知らされる味でした。

日本で、イベリコ豚を使った料理を何度か食べた事がありますが、全く美味しくありませんでした。
調べてみると、生ハムでないイベリコ豚は、ほとんどがどんぐりを食べて育っていないイベリコ豚なのです。

イベリコ豚の生ハムを食べるまでは、
イベリコ豚って大したことないな。黒豚の方が美味しいなというのが本音でした。

でも本物は違う。いや本物は違ったのです。

赤ワインと味合うイベリコ豚の生ハムは最高でした。

ちなみにこの店は、2018/9/7放送の「ぴったんこカン・カン」で米倉涼子が安住アナと来ていました。

Atari アタリ

バロック建築の大聖堂の前に店があります。
大聖堂から店を見れば、石畳の階段の向こう側に店があります。
大聖堂と店の間は、ちょっとした憩いの場のようなスペースとなっており、腰を掛けている人がいたりします。

店は他のバルと比較して大きく、雰囲気がいいです。
それでいて、他のバルよりも大きいくせに人が溢れています。
店の外のテーブルまでも人が溢れているほどの賑わいで、間違いなくサンセバで一二を争う人気店です。

店に入ってカウンターに陣取る場所がないか見回したが人で溢れています。
仕方がないので、カウンター近くで佇みながら、隙間が開くチャンスを伺いました。
それほど時間がかからない内にカウンターの端に入り込めました。
何軒もバルをはしごすることでカウンターで陣取るコツをつかめるようになったのです。

カウンターに置かれていたメニューを開き注文を何にしようかと眺めますが、なかなか決まりません。それもそのはずお腹が一杯で食欲が減退しています。

あと一品で本日のバル巡りを終えようということで、シメを頼むことになりました。

シメで思いだしたのがリゾットです。確かこの店にはリゾットがあったはず。

イカスミのリゾット。もうこれめっちゃ美味かった。
https://note.mu/eatokyo/n/n5aab1b3f63a5

イカスミのリゾットを探したがメニューには見当たらない。
あったのは、本日のライスでした。

何が出てくるかわからないが頼んで見た。
しばらくして運ばれて来たのがこれです。

食べてみるとうまい。

アジア圏以外の海外で日本人の舌に違和感なく、美味しいと感じさせてくれる米料理を食べられるなんて。
多分、この店では何を食べても美味しいに違いないなのでは?

食べているとエクスキューズミー、エクスキューズミーとキョドった感じで、となりのメガネ君に声をかけられた。
それは何かと聞かれた。

TODAY’S RICE と答えたが、Rの発音が怪しくて”LICE(しらみ)”に聞こえたかも知れない。
チーズが美味いとか、気の利いたことを英語で答えられればよかったが。。。。

このメガネ君の横には女性がいた。デートなのか?連れの女性にあれはなんだろうと聞かれ、勇気を出して聞いてきたのかと思う。

今、振り返ると旅行中に話しかけられる機会が少なからずあった。
たぶん、僕一人ならそういう機会は少なかったと思う。
奥様の人柄がそうさせるに違いないと思いつつ英語を勉強しなくてはと思う。
もう何度目になるかわからないぐらいの思いだが。

その思いのせいなのか、帰国してから、アメリカのテレビドラマで一時流行った”ホワイトカラー”のシーズン1のDVDを注文した。
もう7年以上前のドラマだと思うが、ウィットの効いたセリフが多く楽しく英語が勉強できそうだからです。